本場・下関の辛子明太子メーカー「はねうお」が、辛子明太子の誕生や製法、美味しい召し上げり方などについてお伝えします。

「明太子」って何?

呼び方はいろいろ

“めんたい”、“辛子めんたい”、“辛子明太子”、いや“たらこ”? そしてさらに「たいなまこ」??

「えっ! タイ? ナマコ? 明太じゃないの!?」って、もう何が何だかわかりませんよね。
でも、いずれも「スケソウダラ(助惣鱈・介宗鱈 )」や「スケトウダラ(介党鱈)」と呼ばれるタラ科の魚の「卵巣」やそれを原料とした塩漬けの事です。
鱈の卵で「鱈子」だから“たらこ”。“まこ”は「真子」で、オスが持つ精巣である“白子”の対語です。昔から鱈・鯛・太刀魚などの魚卵の塩漬けはよく食べられていて、実は私も幼いころは“たいなまこ”と呼んでいました。
そうです「鯛の真子」の “の” が音便化して“たいなまこ”となったんですね。でも食べていたのは実際は鯛ではなく、この「鱈子」だったわけですが・・・(笑) ただ、これがあれば、ご飯のおかずは他には何にもいらず、何杯でもお代わりが出来ましたよ! ハイ。

辛子明太子の呼び方は、めんたい・たらこ・たいなまこ?

辛子明太子の誕生

国際交流から生まれたグローバルレシピ?

“めんたい”も“たらこ”も“たいなまこ”(笑)も、およそ「鱈子」というのは分かりました。でも、何故 “辛子明太子” という名前がクローズアップされるのか?

これは、明治の終わりから大正時代くらい、1900年代の前半ですね。当時は朝鮮半島も日本であったため、人やモノだけでなく、当然「食文化」や「レシピ」の移動・交流もあり、今より国際色豊かだったようです。
そんな中、もともと「塩漬けの鱈子」を食べていた日本人が、「“キムチ風”鱈子」とでもいうような当時の朝鮮風の鱈子漬けレシピを取り入れて、日本人向けの「唐辛子漬けの鱈子」を商品化したそうです。

なぜ「鱈子」でなく「明太子」?

その昔、朝鮮半島や現在の中国東北部辺りでは、鱈のことを「明太」と書き現わして“ミンタイ”・“ミョンテ”などと発音し、またロシア語でも“ミンタイ”と呼ぶこともあったそうです。商品化とともに名前も一緒に漢字で“明太子”、読みは“めんたいこ”として日本本土へ輸出されたのが始まりだったようですね。

語源とされる「鱈=“明太”」の“卵”から、「明太子」という言葉が出来たとされますが、これは日本独自の表現のようで、現在朝鮮半島では「明卵」と書くそうです。また、この伝統的なキムチ風鱈子漬けの食文化も残念ながら残っていないようです。

尚、西日本では、唐辛子を使っていない塩漬けだけのものを「たらこ」、唐辛子を使って赤みを帯びているものを「明太子」と呼び分けています。

実は「下関」が発祥?

太平洋戦争が終わって数年後の1940年代後半、下関と博多で「唐辛子漬けの鱈子」がさらに日本人向けに改良されます。一度塩漬けした鱈子に唐辛子を振りかけて仕上げる“辛子明太子”のスタートです。
今でも有名な博多の川原さんという方が製法を広く公開したため、製造者が福岡にも増えていきました。

1960年代に入ると、塩漬けした後、調味液に漬け込んで仕上げる“漬け込み型”と呼ばれ る 現在広く食べられているスタイルの「辛子明太子」へとさらに進化し、高度成長期のオリンピックや新幹線の開業など名覚ましい発展の中の国内旅行ブームなどとと相まって、名産品・お土産品として全国に知れ渡ってゆきます。
近年では、明太子を使った調味用からお菓子まで様々な製品が開発され話題になっていますね。

辛子明太子の製法

原料はスケトウダラの卵巣

辛子明太子の原料は、タラ目タラ科に属する「スケトウダラ」の卵巣で、その名の通り「鱈子(タラコ)」です。(スケソウダラとも)
スケトウダラは、日本海や茨城県以北の太平洋沿岸~オホーツク海・ベーリング海などの北方の海に生息し、体長は70cm~1mに達するものもあります。
その身は主に「かまぼこ」など練り製品の原料、また伝統的な干物「棒鱈」としても加工されたりします。産卵期は12月~3月頃で卵巣、いわるゆ「鱈子・タラコ」の採取はこの少し前の時期に行われ、『たらこ・明太子』食品の原料となります。

素材の洗浄・選別

タラコは、成熟過程により状態が変化し4段階に分けられますが、その2段階目の熟成過程の「真子」と呼ばれるものが、粒立ちや食感・味が良く、辛子明太子には最も適しています。
このタラコを洗浄し、付着物などをきれいに洗い落し、大きさや傷がないかなどの状態を人の目で確認し、全体の張りや艶が良いものが「辛子明太子」用として選別され、粒子もしっかりとした食感もよい「辛子明太子」に仕上がります。

塩漬け・掃除

選別されたタラコは、まずは「塩漬け」にします。業界では「塩蔵」と呼ばれる工程です。この塩漬け加工したものが「たらこ(塩たらこ)」と呼ばれているものです。
実は、生のままのタラコはあの独特のツブツブの食感はなく、塩漬けする時に卵のタンパク質が固くなることで生まれます。卵質に合わせ、“塩辛くなりすぎず卵の粒子感が出る程よい濃度”に調製した塩漬け液に5~6時間前後漬け込みます。
「塩漬け」が終わったら、原料由来の黒皮などの異物の除去を除去し形を整え、店頭の商品として見慣れた“皮に包まれた卵だけの状態”にしますが、この作業は粒をつぶさないように一つひとつ丁寧に手作業で行います。

調味液漬け込み

辛子明太子は素材も大切ですが、やはりその味は“味付け”である「漬け込み」で決まります。漬け込みは、調味液を作り「塩漬けたらこ」を漬け込むことで行いますが、この調味液が製造メーカーの一番の工夫のし所となっています。

はねうお食品の調味液は、魚を塩漬けして発酵させて作る醤油の一種「魚醤」をベースに、唐辛子や出汁・昆布など様々な副材料を加えた独自の調合をしています。
魚醤はタイやヤベトナム料理でもおなじみの「ナンプラー」や「ニョクマム」、日本では秋田の「しょっつる」が有名ですが、長期熟成発酵によってタンパク質が分解されアミノ酸となって、非常に多くの旨味成分を含んでいます。
この調味液に三昼夜ほど漬込むことで、「塩漬けタラコ」が様々な旨味をまとい、さらに少し乳酸発酵をさせることで、あの独特の味を持った『辛子明太子』に生まれ変わります。この漬け込み時間の見切りも各明太子メーカーの腕の見せ所です。

辛子明太子の美味しい食べ方・保存法

昔は、海苔の佃煮など同じで「白いご飯のおかず」として“そのまま”食べられていましたが、明太子パスタのブームから始まって「“そのまま”以外」での食べ方が広まりました。
今では、きっと皆さんも大好きな、マヨネーズやオリーブオイルに辛子明太子をまぜた調味料など、様々な明太子食品が販売されていますね。

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辛子明太子の賞味期限と保存方法

【明太子の賞味期限】

辛子明太子は、塩や調味液で漬けたものですが、“加熱していません”ので、冷蔵で製造日からおよそ1-2週間程度です。製品により前後しますので、必ず表示をご確認ください。また、一度開封すると少し期限が短くなります。

【明太子の保存方法は「冷凍保存」がおすすめ】

購入後は必ず冷蔵保存ください。また、冷凍保存することも可能です。
【冷凍保存の方法】 賞味期限内に冷凍保存してください。きちんと冷凍されていれば2~3か月保存できます。1本ずつラップに包んで、さらに密封袋などに入れると冷凍下での乾燥を防ぎ、食べる際も、必要な分だけ取り出せて便利です。また凍っているので、きれいな形に切り揃えたらり、皮だけに切れ目を入れて中身を取り出すこともできます。

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